3.75 2.5 1.25 0 -1.25 -2.5
10
0
-10
-20
x y
x y
複素多項式を因数分解します. x3−13
5ix2−8x2+29 5ix+81
5x+ 6i−18
5 = (x−3)( x+25i)
(x−(5 + 3i)) 多項式の解は3,−25i, 5 + 3iです.
5次以上の多項式
5次以上の多項式については常に近似値が算出されます. 解の表示桁数は数式処理設定や計算エン ジン設定コマンドで行ないます(参照29ページ).
◮ 多項式+複素数解
5x5+ 5x4−10x3−10x2+ 5x+ 5,解: 1.0 1.0
−1.0
−1.0
−1.0
x8+x7+x6+x5+x4+x3+x2+x+ 1,解:
−0.939 69−0.342 02i
−0.939 69 + 0.342 02i 0.173 65 + 0.984 81i 0.173 65−0.984 81i
−0.5 + 0.866 03i
−0.5−0.866 03i 0.766 04−0.642 79i 0.766 04 + 0.642 79i
3.2 変数と関数を定義する
記号を使って数式オブジェクトを定義したり,既存の数式を組合せて新たな関数を定義する場合は 関数の定義コマンドを利用します. 関数定義サブメニューにある新しい定義,定義の削除,定義の 一覧,全定義の削除コマンドについて解説します. 関数定義の詳細については第5章, 97ページを 参照してください.微積分,ベクトル,行列における利用例について各ページで解説されています.
3.2.1 変数に値を代入する
変数に値を代入する場合には関数の定義コマンドを利用します.
◮ z に5を代入する
1. 数式モードで⃗z= 5と記述し,カーソルを数式内に配置します.
2. 数式処理ツールバーの をクリックします. または,関数定義+新しい定義を選ぶか, ctrl+=キーを押します.
これにより,関数の定義を削除する(参照62ページ)までの間,z は5として解釈されます. つま
り, 3 +zの計算結果は8になります.文書を閉じたり,開いたりした時の,定義した変数の動作に
関する詳細は108ページを参照してください.
変数は通常1文字で表されます(参照97ページ). 変数には数値以外にも色々な値を代入できま す. その例を次に示します.
• 数値: a= 245
• 多項式:p=x3+ 3x2−5x+ 1
• 多項式の商: b=x2−1 x2+ 1
• 行列: z= [ a b
c d ]
こ こ で 記 号 p は 数 式x3+ 3x2−5x+ 1 と 定 義 さ れ て い ま す. し か し, こ れ は 関 数 で は あ り ま せ ん. つ ま り, p(2) は x = 2の 時 の 値 を 示 す も の で は あ り ま せ ん. 実 際, p(2) は 積 2p = 2x3+ 6x2−10x+ 2と解釈されます.
3.2.2 1 変数の関数を定義する
関数の定義は,次の方法で行います. 関数の後に変数をカッコ付きで書き,等号とその右辺に数式 を記述します.
◮ 関数名をf とし,xにおける値をax2+bx+c とします. 1. 数式入力モードで,式f(x) =ax2+bx+cを記述します. 2. カーソルを式に配置します.
3. 数式処理ツールバーの新しい定義のボタン をクリックします. または,関数定義サブ メニューから新しい定義を選択します. または,ctrl+=とします.
よって関数の定義を削除するまで記号f は関数として利用できます. 例えば,f(t) に計算コマン ドを実行するとf(t) =at2+bt+cとなります.
Note 関数f(y) =ay2+by+cとf(x) =ax2+bx+cを定義することはまったく同じことで す. 変数にどんなアルファベットを使っても機能的には同じです. しかし,見かけ上は異な
3.2 変数と関数を定義する 61
る式を定義することができます. 例えば, 2つの式y=x2+√
xとy=t2+√
tはyを表すための表現がxとtで異なっています から,式としては別の存在なります. しかし,実質的にはf(x) =x2+√
xとf(t) =t2+√ tで計 算結果は同じになります.
いま,gとhが既に定義されている関数であるとすれば,次ように別の関数を作成することが可能 です.
f(x) = 2g(x) f(x) =g(x) +h(x) f(x) =g(x)h(x) f(x) =g(h(x))
gとhを定義して,さらに上記のように入力した各f(x)に対して計算コマンドを実行します. 計 算コマンドをf に対して実行するたびに,既存の定義に新しい定義が上書きされます. 例えば,一 度定義したf(x) = 2g(x)に対して g(x)の定義を変更すると,結果としてf(x)の定義も更新さ れることになります.
Note 代数式には,f±g,f◦g,f g,f−1のようなオブジェクトも含まれます. xでの f+gの 値は,f(x) +g(x)と書きます. 定義した2つの関数式f およびgの合成関数は,f(g(x)) または(f◦g) (x) と書きます. 定義した2つの関数の積は,f(x)g(x)と書きます. 求解+ 解を選択して,関数式f(y) =xで,変数としてyを与えるようなf(x)の逆関数を求める ことができます.
Example 4 f(x) =x2+ 3x+ 5およびg(x) =x3−1を定義して,計算する f(3) = 23
g(3) = 26 f(g(3)) = 759 g(f(3)) = 12166 f(4 + 5i) = 8 + 55i
f(f(f(4 + 5i))) = 7495808−6124745i
関数y=f(x)の逆関数を求めることができます. 変数xとyを入れ替えてyについて求解の計 算を行ないます.
◮ 関数f(x) = 5x−3の逆関数を求める
1. 関数f(y)をf(y) = 5y−3と入力して計算コマンドを実行します.
2. 関数5y−3 =xに対してyを独立変数して求解+解コマンドを実行します.
計算結果はy=15x+35 となります. よって次の式が得られます. f−1(x) =15x+35
次のようにして,この答えの検算を行ないます. 関数f(x) = 5x−3とg(x) = 15x+35 を定義し ます(関数名にf−1 を使うと,上手く機能しません). ここで関数f(g(x))とg(f(x))に計算コマ ンドを実行します. その結果,f(g(x)) = xであり,また,g(f(x)) = xとなります. 関数gがf の逆関数であることが分かります.
3.2.3 複数変数を持つ関数を定義する
◮ 複数の変数を持つ関数を定義する
1. 例として関数f(x, y, z) =ax+y2+ 2z またはg(x, y) = 2x+ sin 3xy を入力します. 2. 数式にカーソルを配置します.
3. 数式処理ツールバーから新しい定義ボタン をクリックするか,または,関数定義サブメ ニューから新しい定義コマンドを選択します.
変数が1つの場合,数式処理システムは関数に計算コマンドを実行した結果を,新しい関数の定義 として認識します.
3.2.4 定義の表示と削除
自分で定義した関数や数式の情報を保存したり,削除する方法について解説します.
◮ 定義した変数や関数を一覧表示する
• 数式処理ツールバーの定義の表示ボタン をクリックするか, または関数定義サブメ ニューから定義の表示を選択します.
画面上に定義が表示されます. 変数と関数は定義した順番にしたがって,一覧表示されます.
◮ 文書から定義を削除する
1. 削除する数式にカーソルを配置するか,または関数名や式を選択します. 2. 関数定義サブメニューから定義の削除を選択します.
関数定義サブメニューから定義の表示を選択します.削除した関数または数式がダイアログに表示 されないことを確認します.
◮ 文書のすべての定義を削除する
• 関数定義サブメニューから,全定義の削除を選択します.
既存の定義関数は文書が開いている間,アクティブな状態になっています. デフォルトでは,定義 した関数は文書内に保存され,その文書を開いたときに,メモリに読み込まれます. この設定を変 更して関数定義の情報を削除することも可能です. 関数定義の保存,読み込み,全定義の削除など に関する詳細は108ページを参照してください.
関数式をどんな名前で定義しても,それを忘れてしまうことがあります. 例えば関数a=x2 を既